今更ではありますが、UberEatsの配達員に支払われる報酬の計算方法について考えてみました。配達員の方はご存じの通りUberEatsの配達報酬はきちんと公表されておらず、ブラックボックスでよく分かっていません。特に「配達調整金額」という謎の項目によって、金額が大きく変動します。
「配達調整金額」は、いちおうUberEatsの公式ページにて、以下のように説明されています。
以下のような特定の状況において、基本金額に加えて配達調整金額が加算される場合があります。
-通常の目安よりも交通状況が混雑している場合
-通常の目安よりも商品受け取り場所での待ち時間が長い場合
-配達パートナーの数が少なく通常よりも配達の需要が高い場合
しかし、具体的な計算方法は示されていません。
以前、私が配達したいくつかの配達記録をもとに、どのように金額計算されているかを推定してみようと試みたことがあります。
まず、注文が入った時の画面で、見積もり料金、時間、距離が表示されます。これらは見積もりであり、実際に配達した結果とは異なります。
配達した結果、例の「配達調整金額」によって最終的な金額は調整された額
になります。ただし、見積もり料金は下回ることがない最低限の金額であることになっています。
公式配達員アプリで、配達ごとに最終的な報酬金額と、その根拠となるベース、配達調整金額、サービス料、ブーストといった内訳を見ることができます。配達にかかった時間と距離も表示されています。
しかし、そこにある時間はドロップに要した時間?と思われ、実際にはピックに要した時間も勘案する必要があります。つまり、本当の配達時間は、注文を受けてからドロップを完了するまでであり、数珠っているときは、前回の配達を完了してからその配達のドロップを完了するまでとなります。この実際に配達にかかった本当の時間はどこにも表示されていませんが、コンパニオンの配達履歴ではその推定時間を表示しています。ある日の配達記録から、そうした情報を表にしてみました。
この表の通り、配達調整金額が133~349円の間で大きく変動しており、一見すると、この金額が最終的な金額を決める重要な意味を持っているように思えます。
見積料金は、鳴った時の時間に比例しており、そこに距離とブーストが加味されているように見えます。
ベース料金は、公式アプリの記録時間に比例しており、やはり距離も加味されているようです。
問題の実際の金額ですが、まず、No.1とNo.2は見積金額と実際の金額が同じなので、見積金額が最低保証されるというルールから、この考察では除外して考えます。それ以外を見ると、実際の金額は、現実にピック/ドロップに要した時間と比例しているように見えます。加えて多少ブーストがあれば高めの金額になっているようです。
結論としては、実際の金額は現実にピック/ドロップに要した時間+ブースト分で求められていて、配達調整金額はそれに合うように逆算されていると考えられます。配達調整金額自体を求めるなんらかの計算式があるわけではありません。たぶん、気が付いていた人は多いと思いますが、そう推測できます。
公式サイトの説明では、交通状況とか、商品受け取り場所での待ち時間が考慮されているように書かれていますが、それらは時間がかかるケースのたとえ話であって、端末の位置情報の動きをトラッキングしていて、レストランに留まっているとか、渋滞にはまっていることを検出しているわけではないと思います(技術的にも面倒そうです)。表の中でも、レストランで待ちがあったケースもあったのですが、特にその金額が多いわけではありませんし、レストランでの待ちも渋滞もなかったが配達先を探すのに時間がかかったケースでは金額が多くなっています。
配達の需要というのも、ブーストのことを言っている可能性がありそうです。
結局のところ、配達時間で報酬金額が決まるのであれば、無理に急いで配達する必要はなく、安全・確実な運転を心がけて配達すればよいことになります。
ブーストは多少(数十円)影響しそうなので、どちらかと言えばブーストの高いエリアで活動するのがいいとは思います。
この仕組みを逆手にとって、配達完了時間を遅らせて報酬を稼ぐとか思いつきますが、不審な挙動はリスクがあるので、変なことはしない方がいいと思います。
見積料金についても、実際の配達にかかった時間の結果で決まるので、あくまで最低金額というだけで、あまり意味がないように思えてきます。
ちょっと話は変わりますが、報酬がどのように計算されているのか明確に分からないと配達員は正当な報酬を受け取っているのか確認することができません。本当は、配達員が自分で検算できる方法にするべきではないかと思います。UberEatsだけでなく、他のフードデリバリーサービスもありますし、業種の異なる似たモデルのサービスもありますので、いずれ法律や制度によって是正されるものなのかもしれません。